鳥を運動させるには飛ばすことが欠かせません。
飼い鳥は、下手すると1日1メートルも飛ばずに済んでしまうので、放鳥時にはなるべく飛ばして運動をさせてあげることが大切となります。
残念ながら、鳥は部屋から部屋を歩き回っているだけでは運動したことにはならないのです。
そうは言っても、飼い鳥を飛ばすのはけっこう苦労します。
鳥は理由がないと飛ばない言われていますので、こちら側からキッカケを作らないとなかなか飛んでくれません。
この記事では、私が具体的にどのようなことをして飛ばせているかを紹介していきます!
鳥の習性を利用して運動させる
鳥は危険に見舞われたとき、決して隠れようとはせず距離を取るという手段で身を守るという話を、以前の記事に投稿しました。
どこにも隠れないということは、つまり繰り返し繰り返し絶え間なく危険な目に遭遇する危険性があるということです。
ある場所で、小鳥が鷹に襲われそうになって間一髪のところで逃げ切ったとします。
でも鳥たちは決して隠れない生き物なので、逃げた先でも他の敵から目をつけられて、また襲われる可能性はいくらでもあります。
危険な存在は鷹のような捕食動物だけではありません。
急に目の前を走り去っていった自転車も、突風で飛んできた木の枝も、彼ら鳥にとっては十分に危険な存在です。
そんな、あちらこちらに危険が溢れている状況にも関わらず、彼らは決して隠れません。
彼らの頭の中には常に飛んで逃げるという選択しか存在せず1日にそれが何度も何度も繰り返されているのです。
この、『野鳥が危険から身を遠ざけるときの飛び方』をペットの鳥にもさせることがとても重要です。
それが鳥の生活には欠かせない行動であり、同時に運動となっているのです。
飼い鳥だったとしてもそれは違いありません。
鳥は飛んでなんぼです。
そんな鳥の習性を利用して、毎日運動をさせましょう。
実際にやってみよう、鳥を飛ばせる工夫
さて、鳥は飛んでなんぼだという話ですが、そうは言っても自分の鳥を飛ばすとなるとどうして良いのかなかなかわからないと思います。
野鳥のような飛び方を再現させるなんて一体どうやるの?と疑問が浮かびますよね。
今から、具体的にどんなことを実践すればいいのかを紹介していきます。
まず、部屋の中の障害物をできるだけなくしてください。
ぶつかったら危険なものは部屋から撤去するか、布などで覆いケガが起きないように準備します。
・大きな障害物は布で覆う
・その他、ぶつかったら危険だと思われるものは何でも部屋から撤去する(または布で覆う)
私はこれらの対策を怠ってしまい、愛鳥が飛んだ際に壁にぶつかって顔をおハゲにさせてしまったことがあります。
障害物を布などで覆う対策は必ず取りましょう!
準備をキチンと済ませたら、次に鳥を見慣れないモノが置いてある場所にそっと降ろしてください。
そして飼い主さんはそこから少し遠ざかります。
そうすると、すぐそばに見慣れないモノが置いてある鳥は怖がって、飼い主さん目指して飛んでくると思います。
これが、『野鳥が危険から身を遠ざけるときの飛び方』を再現している状況となります。
飼い主さんは鳥にとって安全な場所として、近くに立っていてあげてください
飛ばない場合は、その鳥にとってその見慣れないモノが怖くないということなので、明らかに嫌がっているモノを探してもう一度トライしましょう。
参考の動画を貼りますので、良かったら観てみてくださいね。
鳥が飛ぶことに慣れてきたら、次は鳥に向けて何でもいいのでなにか怖がるモノを近づけてみてください。
すると、鳥は大抵サッ!と飛び立つはずです。
この怖がるモノとは、野鳥で言うと外敵と同じ役目を果たしているのです。
『野鳥が外敵から逃げるときと同じ飛び方』を、怖がるモノを使って再現しているのだと思ってください。
【!注意!】
怖がるモノを近づけるときは、あくまでそっと近くにもっていく程度です。
それを使って鳥の押したり、乱暴なことは絶対にしないでくださいね!
例えパニックのような飛び方をしても、心を痛める必要はありません。
危険対象から距離を取る彼らにとっては、それが普通の反応です。
鳥がピーピー鳴きながら部屋の中をぐるぐると旋回していると、飼い主さんとしては『ああ可哀想!』と心配の気持ちになりますが、鳥が部屋の中をぐるぐる飛ぶのは単純に部屋の中が狭いからです。
これが外であれば旋回などしません。
遠く遠くへ飛んでいくはずです。
こうして、繰り返し飛ばせることによって徐々に飛ぶことにも慣れてきます。
『怖がらせて飛ばす』と言うと表現があまりよくありませんが、野鳥が日常で頻繁に取っている行動なのだと捉えてください。
ただし、先述した通りくれぐれもケガには注意しなくてはなりません!
できればモノが少ない部屋で行うのが望ましいですが、難しければぶつかっても大丈夫なように工夫を心がけてください。
ちなみに私は鳥をお迎えしたばかりの頃、子ども用のおもちゃのテントを購入してその中で放鳥していました。
まだ飛ぶことに慣れていない中雛だったので、上手く飛べるようになるまでこの中で飛び方を覚えてもらったのです。
ほとんど飛んだことがない鳥を飛ばす場合は、こういったものを用意して安全な状態で飛ばせるのもひとつの手だと思います。
気をつけなければいけないこと
ケガをさせないことはもちろん大事ですが、他にも気をつけなければならないことがいくつかあります。
それは追い打ちをかけるような飛ばせ方をさせないということ。
太っている鳥や、飛ぶことに慣れていない鳥は、1周もすればハァハァと息の上がった状態になります。
その息が上がった状態で更に飛ばすようなことは絶対にしないでください。
呼吸が落ち着いたらもう一度飛ばす。
飛んだあとにご褒美の種を少しだけ与え、飛ぶことがストレスにならないように工夫をする。
そうやって、じっくりと飛ぶことに慣れてもらいましょう。
また肥満の子は心臓に負担がかかりやすいので、無理をさせずに少しずつ少しずつ実践をします。
最初は、飼い主さんの腕に鳥を乗せて腕をゆっくり上下に振りその場で羽ばたいてもらうことから始めると良いと思います。
飛ばすときも、50センチでも1メートルでも良いのです。
本当に少しずつでも、そうやって飛ばせることに意味があります。
心臓に負担がかかるからと言って、飛ばすことを一切やらないと決してダイエットは成功しませんので、根気よく飛ばせる努力をしましょう。
もうひとつ、鳥が自ら『飛ぶぞ!』と決めた状態で飛ばすことが重要です。
無理に飛ばせてはいけません。
『鳥が怖がるモノを近づけて飛ばすのって、無理やり飛ばすのと何が違うの…?』
と、初めのうちはわかりづらいと思います。
しかし、怖いモノから逃げるために飛ぶというのも、鳥が自ら飛ぶことを選んだうちに入ります。
無理やり飛ばすというのは、その場から押し出すように飛ばせること、足元をすくうような形で飛ばせることなど、本人の飛ぶ意志が全くない状態で飛ばせることを指します。
まとめ
・鳥の習性を利用して運動をさせる
・鳥に怖がるモノを近づけて飛ばせる工夫をする
・ケガしないように周囲の設置物には気を配ること
・肥満の子を飛ばすには特に注意が必要
・鳥の意思なく飛ばせるのはNG
鳥に運動させるには、野鳥の動きをよく観察して参考にするのが一番です。
一箇所に留まらず常に動き回っている野鳥たち。
危険なものが近づいてきたら即座にその場から飛び立ち、それを一日に何度も繰り返している彼ら。
部屋の中では限界がありますが、できるだけ努力をしましょう。
それが健康的な体重を維持する秘訣です。