鳥に限った話ではありませんが、食事はとても大切です。
特に重要なのはバランスを取ること。
食べ物を工夫することによって、元気いっぱいの生活を目指しましょう!
最近私偏食気味なのよね〜
私は、いつもツヤツヤの羽を保つために色々食べてるわ!
飼い鳥が口にするものはすべて代替物
ペットの鳥は、当然飼い主が食事を与えなければ生きていけません。
自分の力で山や畑から食物を採ってくることはできないので、彼らにとっては人間から与えられた食事がすべてとなります。
そんな『人間から与えられた食事』ですが、それらはみんな飼い鳥にとって代替物となります。
オカメインコは、もともとオーストラリアの限られた地域に生息している鳥です。
その場所に彼らが棲みつくようになったのは、土地の環境がオカメインコという種(しゅ)に合っていたから。
群生している植物の種や木の実…
流れている川の水…
それらに含まれる栄養素が、オカメインコの身体を造り上げるのに適していたからです。
※野生のオカメインコ。オーストラリアの限られた土地に生息しています。
もしかしたら、その逆ということも考えられます。
もともとオカメインコの祖先だった種(しゅ)が、そこの環境に合うように身体が適応して進化していったのかもしれない。
どちらにせよ、その土地でオカメインコが日常的に口にしている食べ物が、オカメインコにとって本当に必要な食事ということになります。
しかし、当然野生のオカメインコが日常的に口にしているものと全く同じものをペットのオカメインコに与えることはできません。
シードもペレットも、そのほかの野菜もすべて、オーストラリアで野生のオカメインコたちが食べているものの代替物を与えているに過ぎないのです。
『本来彼らが食べているものはこれではないけど、代わりとなる食事をあげるね』ということなんですね。
仮に、野鳥たちが食べている植物と同じ種類の食物が用意できたとします。
しかし、それはその土地で採れたものではありません。
その土地の土から栄養分を吸収し、その土地で降った雨水で成長した植物ではないので、結局代替物ということに変わりはありません。
これは、オカメインコに限らずどの鳥でも同じことが言えます。
まんべんなく、色々なものを食べさせる
代替物に過ぎない食事を、より『本来の食事』に近づけるには、まんべんなく様々な食べ物を与える必要があります。
その鳥にとって本当に必要な栄養素が何なのかを私たちは知ることができないので、できるだけ様々な栄養素を摂取してもらって、なるべく『本来の食事』に近づけようという試みです。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる…じゃないですが、たくさんの栄養素を与えればそのどれかはヒットするだろうといった具合です。
ネットの記事を見ると、アレもあげてはダメコレもあげてはダメと間違ったことが色々と書かれています。
しかし、実はあげてはいけない食べ物はそれほど多くはありません。
(※人工的な食べ物はほとんどNGです)
与えても問題ない食べ物、与えてはいけない食べ物をリンク先の記事でお伝えしていますのでご参考ください。
毎日複数種類与えることが大切となります。
栄養剤の過剰な摂取は別の弊害がありますので、必ず野菜・果物で栄養を与えるようにしてくださいね。
果物と野菜、どちらが安全?
ところで、鳥から見たとき無害なものが多いのは果物と野菜どちらだと思いますか?
実は、果物のほうが鳥にとっては無害なものが多いのです。
果物は、もともと鳥を含め野生の動物にタネを運んでもらうために果実をつけています。
果実と一緒にタネを飲み込んだ鳥が、遠く遠くへ飛んでいきフンをする。
タネは消化されずにフンと一緒に体外に排出され、そこで発芽をします。
こうして果物はタネを撒いてもらうことに成功するのです。
つまり、鳥はタネの運び役です。
鳥にタネを運んでもらうためには、美味しくて安全な果肉をつけておかなければなりません。
もし果実に毒の危険があれば、鳥は果物を食べることはなくタネが運ばれることもないでしょう。
そのため、果物の実の部分は危険なものが少ないのです。
逆に、果物のタネの部分には毒となる成分が含まれているものが多いそうです。
フンと一緒に撒かれる前に殻を潰されてしまっては元も子もないので、噛み砕かれないように毒性を含んでいるんですね。
(本能でそれを知っていて、タネを噛み砕かない鳥や動物たちはスゴイですね)
以上のことから、果物をあげるときはタネを与えないように注意することが必要です。
一方野菜は、動物に葉を食べられてしまっては成長することができません。
種(しゅ)を存続させるためには、食べられないように防御する必要があります。
そこで、葉の部分に毒性を含んで自衛しているものが多いのです。
安全面だけを考慮すると、野菜よりも果物のほうが問題なく食べられるものが多いということになります。
但し、鳥にとって致命的なアボカドは果物に分類されますので、そこだけは気をつけてください。
※人間にとっては栄養があっても、鳥にとってはとも危険なアボカド。
間違って口にしないように気をつける必要があります
まとめ
・飼い鳥は、野生下で生活している同種の鳥と同じ食事はできない
・与えているものはすべて代替物
・代替物を本来の食事に近づけるには、まんべんなく栄養素を与えることが必要
・安全性が高いのは野菜よりも果物
如何でしょうか。
飼い鳥に与えている食事はすべて代替物。
その鳥にとって本当に必要な食事を用意することはほとんど不可能。
バランスの良い食事をさせて、本来の食事にできる限り近い状態を目指しましょう。