一般的に、ペレットは何種類か食べられるようにしておいたほうが良いと言われていますね。
そうでないと、突然メーカーで生産しなくなってしまったり入手困難になってしまったときに、鳥が食べられるものが何もなくなってしまうからです。
しかし、私は獣医から『ペレットを複数種与えるのは絶対にNGである』と指導を受けました。
今回はそのことについて解説していきます。
ペレットは一生口にすることのない食べ物だわね。
ペレットの併用は栄養素のバランスを崩す
なぜ、ペレットを複数種与えるのはNGなのでしょうか。
それは、複数のペレットを併用して与えてしまうと、摂取した栄養素のバランスに偏りが出てしまう危険性があるからです。
様々なメーカーから販売されているペレット。
当然メーカーによって含有成分に違いがあります。
そのため、複数種のペレットを摂取するということは、アンバランスに栄養素を摂取するということになるのです。
偏ると言っても、足りない栄養素については野菜や果物を与えることで補うことができるので問題ありません。
怖いのは栄養素の過剰摂取のほうです。
人工の栄養素は、自然の食べ物に含まれている栄養素と違い、摂取した分をすべて吸収してしまうそうです。
複数種のペレットを併用するとある特定の栄養素だけが過剰に摂取されている状態を作り出してしまう可能性があり、それが危険だということなんですね。
ここから私の見解となりますが、人間が服用するサプリメントも『マルチビタミンの併用は危険』と言われています。
ペレットは、シードなどと比べると、人工物という意味でサプリメント(マルチビタミン)に近いものがあるのではないでしょうか。
そう考えると、複数種のペレットを併用することが危険という話も理解できます。
鳥は人間よりも身体が小さいため、より影響が大きいのではないでしょうか。
ペレットの切り替えをスムーズにするためにはどうすれば良いか?
そうは言っても、急に製造中止になる可能性があったり、海外のメーカーは輸入の状況が不安定だったりと、シードよりも入手環境にブレがあるのがペレットでしょう。
飼い主としては、いざというときのために食べられるペレットは多いほうが良いと感じるのは当然のことです。
そこで私が考えたのは、違う種類のペレットを一粒だけたまに食べさせるという方法です。
日常で与えるペレットは1種類に統一し、たまにオヤツ程度に一粒だけ違うペレットを食べさせるようにする。
すぐにそのペレットを食べてくれるようになるかはわからないので、食べるようになるまでは1粒を毎日あげる。
そして、食べるようになったらたまにあげる程度にとどめておくのです。
それであれば、栄養素の過剰摂取にはならないでしょう。
ただし一粒だけを時々…となると、当然なかなか減らずに賞味期限が過ぎてしまうと思います。
そこは、もったいなくてもいざというとき切り替えが簡単に済むように、食べきれなかった分は捨てる覚悟で与えるしかありません。
お試し用の少量ペレットが手に入れば、それを使うのが一番良いですね!
ペレットでも副菜を与えることの重要性
ペレットは、シードと比べるとバランス良く栄養素を取ることができます。
とは言え、ペレットは所詮人工物です。
並行して自然の食べ物も与えてあげなければいけません。
例え主食がペレットだったとしても、野菜や果物の副菜もキチンと食べさせるようにしましょう。
ペレットは、製造するのに様々な野菜や果物の成分を使用していますから、食べられる野菜や果物が多ければ多いほど、同じ成分を含有しているペレットを食べてくれる可能性が高まります。
うちの鳥はまんべんなく野菜や果物を与えており、だいたいどのペレットも口にすることがわかったので、今はもう一粒だけ与えるということはしていません。
いざ他のペレットへ切り替えが必要になったときでも、スムーズに食べてくれることでしょう。
ペレットを食べるよう訓練させるのも良いですが、それよりも色々な野菜や果物を食べるように仕向けるほうが、意外とペレット食への近道となるかもしれません。
また、飼い鳥がいつもと違うペレットを食べてくれないのは、それが食べ物だとわからないからです。
鳥たちは、人間のように食事を味わうということはきっとあまりなくて(あったとしても二の次)、あくまでそれが食べ物として危険ではないかどうかという判断が一番重要となります。
野鳥を見ているとよくわかりますが、彼らは『おいしいかおいしくないか』なんて考えてはいません。
食べられるものを発見すれば何でも食べる…それが彼らの特徴です。
なので、飼い鳥もおいしいかどうかよりも『食べられる』と判断できれば、大抵のものは食べるようになります。
(ただし、大好きなオヤツなどを与えすぎていては、おいしくないと感じるものを食べなくなる可能性がありますので、バランスには注意してください。)
良質なペレットの選び方
最近ではペレットを出すメーカーも増えてきて、どれにしたら良いのか迷う場面も多くなってきているのでないでしょうか。
私に鳥の飼育方法を指導をしてくれた獣医は、
『歴史が長いメーカーのペレットにしてください』と言っていました。
歴史が長いということは、今まで何も問題が起こらなかったからずっと販売し続けてこれたということになります。
そうなると、日本のメーカーよりも海外のメーカーのほうが歴史が長く、安心して与えられるものが多いということになります。
ただ、まずは食べてくれることが一番重要なので、日本のメーカーでペレットそのものに慣れさせたあとに海外メーカーのもの切り替えるなどでも良いと思います。
ちなみに我が家ではズプリームのナチュラルを与えています。
まとめ
・ペレットを複数種併用して与えると特定の栄養素を過剰摂取することになる
・ペレットはマルチビタミンのサプリメントに近いものがある
・ペレット食だとしても副菜を与えることは重要
・ペレットのメーカーは歴史の長いものを選択すると尚良し
ペレットにしてもシードにしても、野菜・果物の存在は欠かせません。
食べられる野菜が多いとダイエットにも役立ちますので、ペレット食だったとしてもぜひ野菜・果物を積極的に与えるようにしましょう。
私たちはとにかく食べられるものは何でも食べるということを言いたかったの。