近年、ますます鳥をペットとする方が増えてきました。
この記事では、鳥類と哺乳類のとある大きな習性の違いについて解説をしていきます。
両者の違いを知って、ぜひ愛鳥さんとの生活に役立ててくださいね!
鳥類と哺乳類の違い!ピンチのときにどうする?
私たち哺乳類と、鳥類の間にはある決定的な習性の違いがあります。
さて、それはなんでしょう。
![ミヨちゃん](https://birdmanual.com/wp-content/uploads/2020/03/pteacher_9-300x255.jpg)
![ピーちゃん](https://birdmanual.com/wp-content/uploads/2020/03/pteacher_11-300x255.jpg)
外敵に遭遇したときに取る行動!
私たち哺乳類は外敵に遭遇したとき、とにかく身を隠すことを一番に考えます。
想像してみてください。
もし、あなたが道端で見知らぬ人にいきなり追いかけられたらどうしますか?
手当たり次第『隠れる場所』を探すのではないでしょうか?
どこかの家屋…
茂みの中…
とにかく相手に見つからない場所を探し、身を守ることのできる安全な場所へ逃げ込むのではないかと思います。
そもそも隠れる場所のない、サバンナの大平原で暮らす動物たちは別として、基本的に哺乳類はだいたいみな同じ行動を取るはずです。
![ミヨちゃん](https://birdmanual.com/wp-content/uploads/2020/03/pteacher_9-300x255.jpg)
一方、鳥類はどんな行動を取るのでしょうか。
鳥類は、とにかく危険対象から距離を取ることを優先します。
もし外敵から『距離を取りたい!』と考えた場合、一番選択しないことは何でしょう?
それは隠れることです。
隠れてしまったら相手の姿が見えないので、距離の取りようがありません。
つまり、隠れるという行動は彼ら鳥類が最も選ばない手段となるのです。
哺乳類とは真逆ということになりますね。
※補足※
ここで言う隠れるとは、見つかりにくいように擬態したり、木の葉の影などに紛れることを指すのではありません。
何か別のものによって、完全に身体を覆い隠して防護することを指します。
哺乳類に絶対欠かせないもの、それはシェルター
見知らぬ人に追いかけられる例はあまり日常的とは言えませんので、もう少し身近な例をあげます。
例えば大きな地震が発生したらどうでしょう。
落下物や倒れてくる家具…。
それらの物から身を守るために、私たちはテーブルの下などに隠れますね。
哺乳類が危険から身を守るためには、 身を匿う場所や、防護する為のモノが欠かせません。
それはつまりシェルターです。
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地震が起こった際に身を隠すテーブルもシェルターですし、寒さを凌ぐために身体に巻く暖かい布団もシェルターです。
私たち哺乳類には、シェルターの存在が必要不可欠なのです。
イヌやネコをはじめ、山に暮らすクマやウサギ、それにリスなど哺乳類はみな同じです。
何かあれば、それらの動物たちは窖(あなぐら)というシェルターに逃げ込み、自分の身を守ります。
鳥類にシェルターは必要ない
それでは、鳥類が地震に遭遇したときの行動も見ていきましょう。
彼らが地面で採食しているとき、もし大きな地震がきて上から看板が落ちてきたらどうするでしょうか。
まずは看板を避けるために飛び立つと思いますが、その後身を守るためにどこかへ隠れたりするでしょうか?
いいえどこにも隠れません。
彼らは木の上や電線の上にとまり、様子を眺めるハズです。
そうすることによって、身の危険をいつでもかわすことができるように身構えるのです。
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危険対象から常に距離を取ろうとする鳥たちは、哺乳類のような身の守り方は選択しません。
決して隠れることのない彼らにとって、 シェルターは無用の長物なのです。
鳥類が隠れるという手段を選択するとき
そんな鳥類たちも、稀に隠れるという行動を取る場合があります。
それは、これ以上は距離を取れない!と判断をしたときです。
外敵から逃げて逃げて逃げ続けて、もうこれ以上は逃げられない…!
そうなったときにだけ藪の中へ飛び込みます。
けれど、藪の中にはヘビやイタチなど別の外敵が潜んでいるため、
彼らにとっては決して安全な場所ではありません。
むしろそのような場所でそれらの外敵に遭遇したら、飛び立つこともできずに
ほぼ確実に落鳥することになるでしょう。
助かるかどうかわからないけれど、一か八かでもう隠れるしかない!
彼らが隠れるのはそのように切羽詰ったときだけです。
![ピーちゃん](https://birdmanual.com/wp-content/uploads/2020/03/pteacher_11-300x255.jpg)
もうひとつ、鳥類が身を隠すケースがあります。
それは子育てするときです。
卵を産んで、雛を育てている期間だけは巣を作り身を隠します。
雛は飛べないので、外敵から距離を取るという行動が取れません。
そのため、その時期だけは巣に身を隠しながら生活をします。
バードウォッチングが可能な理由
バードウォッチングが可能なのは、 彼らが決して隠れない生き物だからです。
野鳥から見れば、私たち人間も立派な外敵です。
バードウォッチング中、鳥側にも人間の姿は見えているはずですが、彼らは決して隠れたりしません。
彼らがもし隠れる生き物であれば、悠長にバードウォッチングなんてできるはずがないのです。
まとめ
ここまでの解説で、哺乳類と鳥類の行動の違いがわかったと思います。
・哺乳類は隠れることで外敵から身を守る
・鳥類は距離を取ることで外敵から身を守る
・哺乳類にはシェルターが必要
・鳥類にシェルターは必要ない
草むらや物陰でじっとしている鳥を見たことがありますか?
もしあるとすれば、その鳥は怪我をしてるか病気のどちらかです。
あるいは、巣から落ちた雛かもしれない。
元気な成鳥が、隠れてじっとしているなんてことはまずありえません。
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実は、この行動の違いがすべての違いと言っても過言ではないのです。
太古の昔から、この習性をもとにそれぞれ別の進化の道を辿ってきました。
私たち哺乳類と鳥類とでは、生物学上全く違う位置に分類されているのです。
![ピーちゃん](https://birdmanual.com/wp-content/uploads/2020/03/pteacher_11-300x255.jpg)
この習性の違いが、実生活でどのような形となって現れているかは次の記事で解説をしています。
お互いの習性の違いを知って、ぜひあなたとの素敵なバードライフに役立ててください!
![](https://birdmanual.com/wp-content/uploads/2020/03/seabird-768584_1920.jpg)