鳥類と哺乳類の間には、全く違った習性が存在していることを、以前の記事で紹介しました。
今回の記事では、その習性の違いが実生活でどのような形となって現れているかを解説していきます!
哺乳類は家を持つ
危険から身を守るために隠れるという手段を選択する哺乳類。
そんな哺乳類の習性が最も形となって現れたものが家です。
私たち人間にとって、家は絶対に欠かすことができません。
遥か昔、縄文時代から人は家を造って生活をしてきました。
縄文時代よりも更に昔…原始時代では、洞穴や洞窟を利用して雨や風を凌いだり、猛獣などから身を守って生きてきました。
人間は文明が発達する前から、家やその代わりとなるものを利用して暮らしてきたのです。
みんな寝るときは家の中に入るものね!
野山の動物たちも、みんな自分の家を持っています。
土や木に穴を掘り、そこを自分たちの家として身を守りながら生活をしています。
そう、私たちにとって家はシェルターの役目をしているのです。
シェルターは『安全』なだけでは成立しない
このシェルターですが、まずは物理的な危険から身を守れるかどうかが大前提となります。
雨や風、寒さや暑さ、その他危険となりうる事象…そういったものから逃れるために哺乳類はシェルターを求めます。
しかしそれだけでは、身体そのものを守ることはできても精神面での健康を保つことができません。
例えば、襲撃の現場からシェルターへ逃げ込こんだとして、そのシェルターが絶え間なく揺れていたり、近くでいつまでも大きな音が鳴り響いていたらどうでしょう?
身を守ることはできても、ちっとも気が休まらないですね。
シェルターは安全なだけではダメなのです。
物理的な危険から身を守ることの他に、安心できることが欠かせません。
安心とは、リラックスできるかどうかということ。
私たちが新居を探すとき、リラックスできるかどうかは非常に重要なポイントだったりしますよね。
線路が間近にあったり、騒音に悩まされやすいなどの物件は、他の場所より多少安価だったりすることからみてもわかります。
哺乳類の身体は、安心感を得て初めて健康的な生活を送ることができるようにできているのです。
私たちが健康的に暮らすには、安心感というものが絶対に欠かせません。
鳥類は家を持たない
一方鳥類は、その習性から家を全く必要としません。
危険対象から身を守るのに距離を取るという行動を選択するので、四方八方塞がれている場所に留まることはかえって危険です。
彼らは、いつでも飛んで逃げることのできる見通しの良い場所に身を置きます。
特定の場所に居続けることはせず、したがって家も持ちません。
昨日とピッタリ同じ場所に寝ている野生の鳥がいるでしょうか?
まず間違いなくいないでしょう。
彼らの生活は流動的そのもの。
一箇所に落ち着くということを絶対に選択しないのです。
鳥に安心はいらない、必要なのは安全かどうか
鳥たちは、外敵からの奇襲にいち早く気づくために、寝ているときも起きているときも常に警戒をしています。
そんな彼らに必要なのは緊張感です。
彼らは日常の中で、緊張状態にあることが欠かせません。
そうでないと、危険を瞬時に捉えることができず命を落としてしまう可能性があるからです。
長い歴史の中で、身体もその状況に合わせて進化をとげてきました。
彼らが求めているのは、安心できる場所ではありません。
常に、そこが安全かどうかしか彼らにとっては重要ではないのです。
先述した通り、哺乳類に必要なのは安心感でしたね。
鳥類と哺乳類は、必要としているものが真逆なのです。
ペットの鳥は、本来家を必要としない鳥が家を持った暮らしをしているということになります。
特に問題となって現れやすいのは、肥満・過発情・毛引き(メンタルが原因のもの)の3大問題です。
飼い主さんは人間(哺乳類)なので、これらの問題が発生したとき、どうしても『人間にとって良いやり方』で問題を解決させようとします。
しかし、実はそれが問題をより大きくしてしまっている…ということも考えられるのです。
鳥の習性をしっかりと理解したうえで生活させることが必要となってきます。
まとめ
・哺乳類は家も持つ
・鳥類は家を持たない
・哺乳類に必要なのは安心できる場所
・鳥類に必要なのは安全な場所
鳥って、とってもサバイバルな生き物ですよね!
安心を求めない鳥たちに安心を与えるというのは不自然なのだということを知って、
愛鳥さんとの暮らしに役立ててください。