発情抑制の実例を紹介!ポイントは巣を潰すこと

鳥の発情対策

過発情になりやすいメスの鳥。
そんなメス鳥と生活していくには発情抑制を実践することが欠かせません。
今回は、私が実践している発情抑制の方法をいくつか紹介していきます!

メスの鳥がなぜ過発情に陥りやすいのかは、過去の記事にて解説をしています。
本記事を読むにあたっても理解が進みやすくなるかと思いますので、ぜひご一読くださいませ。

 

 

 

巣を潰すとは?実例をお見せします

メスの鳥に対して発情抑制を実践しようと思うのであれば『巣を潰す』という観点がとても重要となります。
なぜなら、発情は巣があることによって起こるからです。

 

ピーちゃん
ピーちゃん
私たちにとって巣とは『卵を産める安全な場所』
そういった場所がなければ発情はしないのよ〜

 

ペットの鳥が過ごす場所は、野鳥と違ってどこもかしこも『卵を産める安全な場所』となり得ます。
本来鳥は、卵が産める場所を見つけられなければ発情しません。
発情するということは、鳥が過ごしているその場所は『巣』となっていて、そこで卵を産もうとしてるのだと理解することが必要です。

 

『巣を潰す』と言われてもいまいちピンとこない飼い主さんも多いかと思いますが、要するに鳥にとって見慣れないものや怖がるものを近くに置いて『外敵の存在を匂わす』ということができればOKとなります。
外敵がいるところは巣になりませんので、そうやって巣と化している場所(もしくは候補の場所)を潰していき、発情抑制に繋げていくのがポイントとなります。

まずは我が家の鳥を例に、本来巣ではない場所を『巣』だと勘違いしているメス鳥の状態をお見せしますね。

 

こちらは放鳥時に撮影した1枚。

 

それまで普通に歩いたり飛んだりしていたのですが、このクッションの上まできたときに突然立ち止まって、スッと座り込みました。

これは、見るからにここを巣だと勘違いしている典型的な例です…!

 

 

写真を見ると、お腹をベターッと地面につけて座り込んでいますね。

これを『巣ごもり体勢』と呼んでいます。
メス鳥が卵を温める際に取る体勢ですね。

この体勢は、足に負担がかかる体勢でもあります。
タコができるなど、発情以外にも鳥の身体にとって良くないことが起こりやすいので、見つけたらできる限り阻止しましょう!

 

では早速阻止をしていきます。

メス鳥は、巣だと思っている場所に侵入者が来ると威嚇をして追い出そうとします。
試しに手を近づけてみると…

 

 

ほら、威嚇をしてきました。
怖いですね〜(笑)

 

ピーちゃん
ピーちゃん
私たちが威嚇してるときって、こんな怖い顔になってるのね…

 

間違いなくこの場所に執着心を持っており『ここからどきたくない!』と思っている状態です。
発情していなければ、こんなふうに怒って威嚇してくることはありません。
ササッ!とこの場所から逃げて離れていくだけです。

なぜ威嚇してくるのかというと、巣を守ろうとしているからです。
小鳥たちは、『巣を守ろう』という意識がなければ決して威嚇はしない生き物なのです。

そういうわけで、これも立派な発情行動のひとつ
ここでひるんではダメです。

 

 

突かれても…

 

 

噛みつかれても、この場からメス鳥がどくまで闘いましょう。

このとき、私の手は我が家の鳥にとって『外敵』と同じ存在になっているのです。
(こちらから何か攻撃など仕掛けるわけではありませんので、誤解のないように。あくまで鳥の近くに手を近づけるだけです)

威嚇してくるということは、外敵だとは思っていても『怖気づいてはいない』ということになります。
もし手を怖がっていたとしたら、こんなふうに威嚇せずに真っ先に逃げるでしょう。
例えばここに本物の鷹が現れたとしたら…巣などはサッサっと捨てて慌てて飛び立つはずです。

発情抑制をするには、もう一歩踏み込んで怖がらせる(=警戒させる)必要があります
近づけたら一目散に逃げ出すようなものでないと効果はありません。

 

※例えば怖そうなぬいぐるみを近づけるとか…※

 

※注意※
『鳥を怖がらせる』ことについては、誤解を招くケースも多そうなので他の記事で詳しく解説しております。
そちらをお読みになってご理解いただければと思います。
(哺乳類と鳥類は根本的に全く違う習性を持っているという話)

 

このように、とにかくメスの鳥が『お気に入り』となっている場所は確実に巣と化していますので、ことごとく『外敵の存在を感じさせて』潰していくことが重要です。

外敵の存在は、怖がっているものや嫌がっているもの、警戒しているものであれば何でもOKです。

 

巣を潰す!発情抑制実践編:大きいものを使って邪魔をする

実例を載せたところで、次は具体的にどんな巣の潰し方をしているかを紹介していきます。

何に怖がるかは鳥によってもちろん違いますが、我が家の鳥は自分の身体より何倍も大きいものを怖がる傾向にあります。

例えばこちら、大きめのホウキ。

 

 

これは、先程の巣となっていたクッションの上にホウキを置いてみたときの写真です。

巣だと思っていた場所に、近寄りたくないものが置かれていてそれ以上先へは進めません。
これが、巣を潰されている状態です。

メス鳥たちは巣(=お気に入りの場所)をたくさん持っています。
だいたい部屋の中に20箇所は巣があるという話なので、発見次第このように『見慣れないもの・嫌がってるもの』を置いて外敵と認識させ、近寄らせないようにするという手段を取っていきましょう。

放鳥中も発情抑制を実践して、できるだけ産卵や持続発情をさせないようにすることが大切です。

 

巣を潰す!発情抑制実践編:音を使って驚かす

カラスの鳴き声やタカの鳴き声、その他野鳥の声を聴かせるのも効き目があります。

自宅周辺にカラスの住処などがあると、窓際にケージを置いておくだけでカラスの鳴き声が頻繁に聴こえてきて、良い緊張感を与えられるかもしれません。
また、YouTubeなどで野鳥の画像を流したり声を聴かせるのもオススメです。

ちなみに、我が家の鳥はビニール袋やお菓子袋の『ガサガサ!』という音がとても苦手で、こういう音には必ず反応します。

野鳥は、ふだんの暮らしの中であらゆる音や気配に警戒しています。
ガサガサ!という音は、草むらや木の葉が揺れるときの音。
ネコやイタチなんかが草むらの影から飛び出してくる音に似ています。
ガサガサ音は、鳥たちが特に注意深く警戒している音に近いのでしょう。

 

ピーちゃん
ピーちゃん
そうね〜、そういった音がすると、

まずネコが出てきたんじゃないかと警戒するわ

 

ペットの鳥であっても、野鳥と生体は同じです。
本能でこういう音を嫌う傾向にあるのだと思います。

このように苦手な音を聴かせるというのも有効な手のひとつとなります。

 

巣を潰す!発情抑制実践編:ケージの中も徹底的に!

ケージ…。
そこは、まさしく巣そのものです。
この、『ケージをいかに巣化させないか』ということが一番重要だと言っても過言ではありません。

通常、鳥は止まり木の上にいるのが正しい行動です。
なぜなら、ケージ内において普通は止まり木の上が一番安全な場所だからです。
(止まり木の上は、周囲で危険なことが起こっていないかを見渡せる高さのため)

しかし、発情状態にあるメスの鳥は平らな場所へと行きたがります。
ケージの底や餌箱、餌箱カバーの上など。
見つけたら、これらも徹底的に潰していく必要があります。

 

よくあるHOEIの餌カバー。
この餌カバーの上は、巣になりやすい場所です。

 

 

我が家の鳥はこのカバーの上に乗りたがるので、オモチャのマラカスを青菜差しに入れて、餌カバーの上に取り付けました。

 

 

これで、カバーの上に乗りたくでも乗れない状態を作り上げることができました。

また、ホイールキャッチャー(※止まり木に取り付けてケージに止まり木を設置しやすくするアイテム)の上にも乗りたがります。

 

 

こんな狭い場所にも乗りたがるんですね〜。
そういうわけで、ここにも水差しを設置して乗らせないようにしました。

この、ホイールキャッチャーの上に乗っているときの画像がこちら。

 

 

この場所のほうが、止まり木のうえよりも居心地悪そうに見えるのですが……。
発情状態にあると、とにかく足を平らなところにつけたがるのです。
巣ごもり体勢を取りたがっている証拠ですね。

 

あなたの鳥には、こういった行動はありませんか?
あるとすれば、その場所は確実に巣となっておりますので、どんどん邪魔をしていきましょう。

 

それでもいつかは慣れてしまう

鳥はとても警戒心が強い生き物で、少しでも見慣れないものがあれば怖がる習性を持っています。
が、その反面あっというまに慣れてしまう生き物でもあります。

先述した大きいホウキですが、あれも初めの頃は私がホウキを掴んだ瞬間にもう飛び出して逃げるぐらい怖がっていたのです。
それが徐々に慣れてきて、やがて警戒している素振りは見せるものの飛んで逃げるほど怖がることはなくなり、今ではもう使い物にならないぐらい慣れてしまいました。
ホウキの上に乗ってしまうほどです。

音にしてもそうです。
初めは怖がっていても、その音が実は害を及ぼす危険なものではないとわかると、耳元で鳴っていても全く驚かなくなります。

慣れてしまったら、そのアイテムは外敵としてはもう役に立ちません。
新しい外敵役を探す必要があります。

 

注意点

外敵役として怖がるアイテムを鳥に見せると、警戒して飛び立つのが鳥の習性としては正解です。

ただし、その際にどこかにぶつかってケガをさせないように、必ず周囲の状況には気を配る必要があります。
窓のカーテンは閉める、ぶつかったら危ないものは撤去するなど工夫を徹底して実践してください!

そのあたりのことは下記の記事でも解説していますので、もしよければ一度読んでみていただければと思います。

 

 

おわりに

以上、私が実践している発情抑制の一部を紹介しました。

今までに何度もこのブログで書いていますが、メス鳥の発情抑制を本気で実践するのであれば、人間的思考・哺乳類的思考を捨て去る必要があります。

こんな実践方法できるわけがない!という声が聞こえてきそうですが。
このブログに辿り着いた方は、少なからずメス鳥の発情抑制について悩んでいる方なのではないかと思っています。
何でもいいから解決方法が知りたい、とにかく産卵を止めたい!と考えていらっしゃる飼い主さんに向けて多少なりともヒントになれば…という気持ちで書いていますので、発情抑制についてそんなに悩んでいない方の役には立たないかもしれません。

例えすべてを実践できなかったとしても、視点が変わるだけでやれることはだいぶ増えますので、参考事例のひとつとしてお役に立てることを願っています…!